常盤雅幸さん の巻


 最初に常盤さんの文章を読んだのは多分....1978年?...
まだ屋根裏に出ていた頃のRCサクセションのインタビュー記事(Player誌)だったと思います。
その頃から普通のインタビューとはちょっと違う「臭い」、(常盤さん風に言えば「におひ」)を
感じてはいたのですが、その後1980年 5人バンド (Johnny,Louis,Mari & Maki) の
インタビュー辺りで (生意気な言い方をさせていただけば) 
一気に「常盤節」が爆発した印象でした。

「Charのギターの音好き。ねばっこくて、ばっちくて
そんな書き方するライターさん、それまでいなかったんじゃないかしらん。
(あの記事は井出情児さんの写真も良かったなぁ)


常盤さんはその後もPlayer誌で活躍されます。
私が好きなバンドのインタビューは何故か常盤さんでした。
それらにはそれまで見た事もない様な素敵なコトバがちりばめられていました。


その頃Player誌はサブカル誌っぽくなっていて、ウォーホールっぽいPOPな色彩が目立つ等
「それまでとは違う血」が流れ込んでいる印象でした。
そんな流れの中で常盤さんのイラストが毎月見開きで掲載される様になりました。
これがまた今見ても斬新で強いインパクトを持っていました。
結局発刊される事のなかったCharの自伝、「いろいろあってね」一部掲載の背景も
常盤さんのイラストでした。

当時多感な少年だった私は強い強い影響を受けました。
数行上の「〜なんじゃないかしらん」という言い回し、ウチのサイト内でも度々登場しますが
常盤さんからのパクリです。



 月日は流れ....Player誌で常盤さんのお名前を見る事はなくなっていましたが
数々の雑誌等でイラストや漫画をお見掛けしていました。
Player誌でのインタビューからイラストへの流れを見ていた私には
とても自然な事に思えました。
古臭いコトバで言えば、反骨で斜め目線なそれらの作品は
10代の私を形成した要素そのままで、ニヤリとさせられる物ばかりでした。




 更に更に月日は流れ、私はギター屋になっていました。
世の中はインターネット社会となり、ある日偶然常盤さんのサイトを見つけました。
当時は毎週1話、4コマ漫画が掲載されていて毎週末の更新を楽しみにしていました。
それらはほぼ全て、自分のPCに保存して時折開いてはニヤリと楽しんでいました。
勿論、書籍 「寸前爆発」と「真ッ赤な東京」もポチリました。(笑)





 「そんなトコまでアメリカの真似しなくてもいいのに」と思うのですが
クレーム/訴訟社会の雰囲気がこの国にも漂い始めます。
あらゆる分野でクレームを恐れた、腰の引けた姿勢が目につく様になりました。
企業は防御策を張り巡らせ、その張り巡らせた防御策で自らをがんじがらめにし、
双方共に身動きが取れなくなっている様に見えます。


ウチのサイトでも色々書いておかなくてはいけない事が増えてきました。
「この風潮、どうにかならないもんかね〜?」と思った時に思い浮かんだのが
常盤さんの「訴訟社会」という作品でした。





 どうしてもこの作品を私のサイトに載せたくて、許諾をいただきました。
更になんと!現在ウチで使っているロゴまで書いていただく事に。


素敵でしょ?このロゴ。





 前述のPlayer誌時代の記事、イラスト等全て保管している事をお伝えすると、
常盤さんは「それを公開するのだけは勘弁。生意気で、青臭いをこえて赤黒く、
あの頃の自分が大ッ嫌いです。」と仰いました。



「青臭いをこえて赤黒く」  常盤節いただきました。(笑)




 「俺も昔はよ〜ぉ」と自慢げに昔話しかしない人、大昔の自分の写真をフェイスブックや
LINEのプロフィールに使っている人を見ると
「あ〜、この人ソコで止まってんのね」と思う事も多々あるのですが、(ごめんね)
常盤さんは過去の自分が嫌いとハッキリ仰いました。


「ああ、この人は過去と向き合った上でちゃんとUp Dateしているんだ」、と感服いたしました。
素敵な方です。10代のあの頃、惹かれたのは間違っていなかった。




私には戻りたい過去なんてひとつもありません。そしてもう残り時間を気にする様な歳ですが
「こういふ大人に私はなりたひ」と思います。


大人になるという事は昨日の自分を恥じる事から始まるのかも知れませんね。



余談ですが先日、20数年前...まだ店舗も無く手作りエフェクターを手売りしていた頃の
ファズの修理を受けました。中を見ると....
.いやん!恥ずかしい!
稚拙その物。修理と同時に同じ物を今の自分のノウハウで1台作って
プレゼントしました。




 「過去は過ぎ去りもう無いし、未来来たらずまだ無いし。ならば今、今、今」とは
大槻ケンヂ氏の言葉ですが、今ですよね、今。


今を生きる。







2016年8月 記


中古屋のひとりごと 奇跡的に残っていたバックナンバーズ


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