I LOVE MAXON の巻




 大昔、この「中古屋のひとりごと」も無かった頃、私の70〜80年代製マクソンコレクションを
ご紹介したページがありました。
そのページはMaxon関係者の方にもご覧いただいた様で、その後
色々とお話を伺ったり、パーツ捜索のご依頼をいただくなどの交流も生まれ、
お客様からもなかなかの反響がありました。
残念ながら過去のPCクラッシュでその時のデータは消えましたが、
その時ご紹介したオモチャの多くは今も所有しています。

 最初に手にしたギターがFender系だったかGibson系だったか、で
その後が決まったなぁ、と思う事ありませんか?
エフェクターも同じ様な事を感じる事があります。70年代〜80年代は今の様に様々な
エフェクターブランドはありませんでしたから、選択肢としてはMXR、エレハモ、BOSS、Big Jam
そしてMaxonぐらいでした。MXRは高嶺の花でしたから中高生の選択肢からは外れました。
Phase100なんて5万だか7万だかしましたからね。
そんな中、私がワケもわからず購入したのがMaxonでした。これは間違いなく同級生の
小沢君の影響です。ありがとう、ザハン!(笑) そして師匠もMaxon製品を愛用していたので
私は完全に「Maxon派」になりました。

 オーバードライブひとつとっても、中3の時hideと「とりかえっこ」して入手したOD-880を始め
回路が同じで筐体が違う物以外はほとんど今も所有していると思います。
私は楽器屋であってコレクターではないので本来は売らなきゃいけないのですが、
「メーカーから仕入れて、そのまま店で売る」 普通の楽器屋さんとは少し違って、
いじくりまわしたり、こねくりまわしたり カッコよくいえば「モディファイ」して販売している物が
多い事や、クローンやそれに準じた物の製作をご依頼いただく事も多いので
昔の、というか「良いと思う物」は「音資料」として必要なのです。


たとえば...
 

 これはチューブスクリーマー系モディファイの商品を80年代のオリジナルと比較チェックしている所。
(若い世代の方の為に一応説明しておくと、オリジナルのチューブスクリーマーは
Maxonが作った物にIbanezのブランド名を付け、Ibanezが海外でのみ販売したOEM商品です。)

有り物で作ったABボックスで比較チェックして違和感があれば微調整・修正するのです。
滅多にありませんがヒアリングで疑問が残ればオシロを使って目で確認する事もあります。
また新しい機種を作っている際、連続して長時間テストを行っていると耳がバカになってくるので
納得がいかないまま 「今日はこれでオシマイ!続けてもムダ!」と作業を終了する事もあります。

「オリジナルと同等の物、それ以上の物」を作り上げるにはオリジナルとの比較は絶対必要です。
特にウチのモディファイは重箱の隅を突付く様な...微妙な出汁加減を重要視する様な
モディファイで、バッコーンとフィルター掛けて、ドギャーンとゲインも上げて、という
子供にも分かり易い様なモディファイ、Tube Screamerを違うエフェクターにしてしまう様な
モディファイではないので素体が少しでも違うパーツを使い始めたらその都度変更を余儀なくされ、
比較チェックは欠かせないのです。


  「人間の耳なんていい加減なモン」ですからね。
 「記憶は美化されてる」し。
 「昔のテープを聴くといい音してる」は録音した部屋の反響音
他の楽器との打ち消し合い、マイクの性能、テープコンプレッション、更には弾き手
当時のピッキングの強さや角度など様々な要素が絡んで、アテになりません。
嗚呼、「思い出は美しすぎて」(by 八神純子)


回路図や定数表はネットで手に入っても、それで知った気になって(by 斉藤和義)たら
大きな間違いです。


 そういえば....
「モディファイした物を1台残しておけばオリジナルはいらないだろ?俺に売っちゃえよ」と
言われた事もありましたが、それをやると徐々に薄まった物になっていきそうな気がしたので
お断りしました。実に魅力的な金額提示で商人としては一瞬迷いましたけど。(笑)
BluesもTube Screamerも迷った時は源流へ立ち戻る事が必要かな、と。
そもそもが、その薄まってしまった物を元に戻してあげる様なモディファイをしているのですから。
その為に「音資料」は絶対必要なのです。


 オリジナルも現行と同じく当時入手し易かったパーツを使っているので
多少バリエーションがあります。
また、経年による劣化にも個体差があります。なので同じ機種でも
複数所有していたりするのですが、
今回はその中で面白いブツをご紹介。

 
 1982年ぐらいのMaxon OD-9で回路的にも音的にも特に珍しくない、極々普通の1台なので
持っていてもしょうがないかなぁ、と思っていたのですが、ある日気付いたこの傷!
緑色の下にオレンジ色が見えます。他の固体には見られない特徴です。

 想像するに工場で....
「OD-9の大量注文が来ました!基盤などのパーツはありますが筐体の在庫が足りません!」
もしくは、
「ヤバ!塗装発注の数を間違えちった!」
「どうしましょう?工場長!」
「よし!このPT-9の筐体を再塗装させてOD-9に仕上げよう!」
な〜んて事があったのではないかと妄想してニヤニヤ。
常連さんには「切手コレクターの印字ズレとかと一緒じゃん」と失笑されましたけどね。(笑)
            
 ん?コレクター?違いますってば〜!














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